「プロパガンダ」との闘い
2024-11-16


兵庫県知事選挙戦の幕が下りた時点でこれを書いています。結果はわかりません。
どのような結果になろうが、この選挙が、このようなえげつない選挙戦になった事自体が、民主主義の危機を示しているという事に変わりはありません。
昨日、斎藤、立花の応援者と目されるSNS上の投稿を指して「プロパガンダ」だ、と書きました。
このような言論と宣伝が政治の世界にはびこり、大きな力を発揮することへの危機感から、もう少し詳しく触れてみます。
ウィキペディアで調べてみました。(ネット批判をするのにネットかい!と突っ込まれそうですが・・)
すると、「プロパガンダ」の様々な種類や効果が詳しく書かれています。
まず、日本語訳です:宣伝戦、政治宣伝。
ちなみに、岩波の国語時時点では「宣伝」としかありません。英和辞典では「宣伝」に加えて「布教」(カトリック)とあります。
語源はラテン語のpropagaere(繁殖させる、種をまく)だそうです。

その多くの手法の中に「チェリーピッキング」という手法が示されていました。
「数多くの事例の中から自らの論証に有利な証拠のみを選び、それと矛盾する証拠を隠したり無視する行為」と説明されています。
昨日触れた「いなむら市政は公立幼稚園を減らした」という言説は、まさにこれに当てはまりますね。「公立保育園の減少」という事実のみを挙げて稲村市政が子育て支援に背を向けたという印象を与え、その印象を否定し得る「園児の減少」という事実は挙げないというやり方です。
この手法は、
「多くは意図的に行われるが、「確証バイアス」(自分の考えを支持する証拠だけに注目し反証を無視する傾向)」による意図せぬものもある。とありました。
わざわざ投稿するのだから意図的に違いありませんが、だとすれば悪質です。

歴史上は、このような「悪質な」プロパガンダがたびたび用いられました。
中でもナチス党のヒトラー、そして宣伝相ゲッペルスによるそれは、その劇的な効果とともに有名です。
彼らの曰く
「宣伝は知性より感情に訴えろ」
「要点を絞り(短い言葉で)、最後の一人が理解できるまで繰り返せ」
「小さな嘘より大きな嘘を何度も繰り返せ(=嘘も100回繰り返せば真実となる)」
これらは、すばらしいほど、悪質なプロバガンダの本質を言い当てています。

 私たちは、このような手法が絶大な効果を発揮することを、東京都知事選、アメリカ大統領選に続いて今度の兵庫県知事選で、目の当たりにしました。
「改革派の斎藤前知事が兵庫県の既存の支配勢力に挑戦していじめられている」「改革派対守旧派」という図式を描いたことが、彼らのプロパガンダの当初の成功でした。それに、いなむら市政への「チェリーピッキング」手法を用いた「こき下ろし」が続きます。
それに加えて、現実の選挙戦の場面では、現場での偶発的なもめごとにとどまらない、むき出しの暴力が登場しました。ヤジや批判をする者への制止や抗議ではなく、いきなり「殺したろか」「死ね」と言って胸倉をとるむき出しの暴力。これもナチス時代の「突撃隊」「親衛隊」を思わせます。街頭でのこのようなむき出しの暴力は、平穏な市民の多くに政治に関与することへの恐怖心を植え付ける効果があります。そうやって市民的良識を遠ざけておいて、政権を握りに行く。―まさにナチスがやったことです。

この手法の成功が無視できぬほどの普遍性を持ち始めていることが、民主主義の危機なのです。
それに対抗できるだけの、手段にとどまらず、政治思想を見出さなければなりません。
 その作業にあたっては、他方でこの「プロパガンダ」という手法が、「権力」や「資金」、伝統的支配力を持たない反対派勢力にとって、有力な政治的手段であったし、今もそうだという事に着目しなければなりません。
反体制勢力であった者も、このような手法を使っていたし、今もともすれば使っている、という事を見逃してもいけないと思います。

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